イラスタント太陽系第三惑星アーストに突如沸きあがった戦乱の嵐。
謎の偉丈夫マーダルはその怪しき力で地底より太古の兵器「機甲兵」を蘇らせ、王子誕生に沸くボーダー王国に突如侵攻した。
強大なその力に抗うすべなくボーダー王は戦死、王妃フェリアは囚われの身となり城は落ちた。ただ一人忠臣アズベスは、幼いジョルディ王子を連れ落ち延びた。
月日は流れ、アズベスとジョルディは、反マーダル勢力の砦である白い谷を訪れた。ここには、この世に悪がはびこるときに蘇り正義の剣を振るう伝説の「鉄巨人」が眠るという。
時を同じくして、しかしマーダルの軍勢が白い谷に攻め寄せた。谷も勇戦したが、機甲兵の力には歯が立たず、谷の陥落は時間の問題となった。城門に迫る人馬兵。
その時、地響きとともに地中より一騎の赤い機甲兵が現れ、人馬兵の前に立ちはだかった。闇を切り裂く鉄巨人“ガリアン”の目覚めである。
キットシリーズの紹介
タカラSAK1/100 ガリアンです。
何せ20年前のキットですから、合いの悪い点や、ブロックビルドアップ形式になっていないなど、難点も多少あります。
それでも大河原氏の設定画になかなか忠実な好キットです。このキットに限らず、タカラのガリアンシリーズは、アゾルバ以外は標準で腰部の回転が可能であったり、ザウエルが完全にブロックビルドアップ方式であったり、何らかのギミックが付いていたりと、設計に随分気を使っていて、素組みでも十分楽しく、味があります。設計者の誠実な仕事振りが目に見えるようです。
またボックスアートは、重量感にあふれ、独自の世界観を連想させるすばらしい仕上がり。高荷氏のプラモデルボックスアートにはすばらしいものが多数ありますが、ガリアンシリーズをベストと押す人も多いと思います。これにヤラレちゃった人は多いのではないでしょうか。
製作ポイント
キットは、ガリアン独特の末端肥大体形をよく表現しております。個人的な好みからすると、下半身のボリュームは十分なのですが、いかんせん上半身がボリューム不足です。上半身が大きく見えるように改修しました。といってもやることは簡単、肩のボリュームアップと腹部の新造だけです。肩アーマーの左右・上下・前後幅をプラバンで1.5~2ミリ幅増しし、また腹部(の白い所)をプラバンで大きめに新造し、上半身を縦に伸びて見えるようにしました。これだけでも随分印象が変ります。
また関節はBJを利用し、膝の部分以外、全ての関節を後ハメできるように作り直しました。なお、変形ギミックは殺しちゃいました。手首はLMのエスカフローネから流用しています。他、製作において注意するべき点は
●全般的にポリキャップの差込が硬く、可動軸を容易に破損してしまいがちです。
●また脹脛のパーツを左右合わせる際に、接着面をヤスリがけしすぎて、足首前のアーマーのはめ込みが不安定になってしまいました。
●頭部はヘルメットパーツを顔に固定するピンを切り取れば、容易に後ハメできるようになります。
●足首は、ローラーホイルの厚さがかなりあり、可動クリアランスにマジ差し障ります。ダブルボールジョイントを仕込みましたが、ボール間の長さの調整が肝心です。
塗装は、ベースホワイトを吹いた後、赤はクレオス水性ホビーカラーのモンザレッド、黄色はタミヤアクリルのレモンイエロー。
関節部はタミヤエナメルのフラットブラックとフラットブルーを1:2で混ぜたもの。
白はベースホワイトのままです。塗装の時に気が付きましたが、このキット、白で塗るべき場所は白のパーツで成型されているのですね。偶然かもしれませんが、本当に真面目に作られたよいキットです。
ベースホワイト以外は筆塗りです。最後にトップコートで前面つや消しにしました。ムラもありますが、単調感は消えたので、これはこれで気に入っています。
最後に
このキット、製作を開始したのが丁度一年前の4月。ですからそれから一年以上が経過したことになります。コンペに参加表明してから、急に作業がすすみました。大好きなガリアンを、このコンペを通じて手に入れることが出来ました。本当に嬉しいです。
この素晴らしい機会を下さったばっち様と、コンペを盛り上げてくださいました参加者の皆様に、この場を借りて篤く御礼申し上げます。
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