■登場作品概要
「グリーン・ホーネット(THE GREEN HORNET)」とは、アメリカ合衆国で放送された活劇TVシリーズである。
1966年~67年放送、30分全26話。
新聞社社長の若き実業家ブリッド・リードは、助手の加藤(「加東」説もある。
発音はケイトー)とともに謎の怪人「グリーン・ホーネット」と名乗り、街に蔓延るマフィア・悪党どもを、時には知略をもって、時には力で捻じ伏せて退治していく。
前番組「バットマン」の極彩色で能天気なアクションと違い、主人公の服装や武器や内容も地味だった為か、僅か半年で放送を終了した。
(異説として助手役の東洋人、加藤に人気が集まりだしたという人種差別的な『大人の事情』で打ち切られたとも言われる)
リーの番組起用から放送打ち切り、しかしこの番組が後に香港での主演映画製作へのきっかけとなるエピソードは、ハリウッド製伝記映画「ドラゴン:ブルース・リー物語」(ロブ・コーエン監督)に詳しい。
日本では67年にNTV系で放送され、74年に再放送された。
この番組がクローズアップされたのは伝説のアクションスター、ブルース・リーが加藤役でレギュラー出演していたからである。
「燃えよドラゴン」が世界的に大ヒットを飛ばすものの、ブルース・リーは公開前に不慮の事故死を遂げた為、新作が作れない。
これに目をつけた「グリーン・ホーネット」の製作プロダクションが、TVシリーズから3話を選んで劇場用に再編集し公開、一週目で500万ドルを上げるヒットを飛ばしたという(後にもう1本、製作して公開したがコケた)
遅くなったが、ブラック・ビューティー(BLACK BEAUTY・黒美人号)とは、加藤が運転する万能スーパーカー(笑)である。
車体のあらゆる所に秘密兵器が内蔵されており、悪党とのカーチェイスや攻撃・敵地脱出にその威力を発揮する。
(ただし、その内蔵された秘密兵器が劇中で全て使われた事はなく、未使用に終わった物もある)
だが、ホーネットの『最大・最強の武器』はクンフーの達人、Mrカトーであるのは言うまでもない(笑)
66年型クライスラー・クラウン・インペリアルをベースに製作され、車体を「つや有り」のブラックで塗装して納品したが、『つや有りボディだと、スタッフが映りこんでしまう』という理由で番組スタッフによって「つや消し」に塗装し直された。
現在、奇跡的に現存していた一台がレストアされ、今も現物を見る事が出来る。
余談だが、同時期に日本で放映されていた特撮TVシリーズ「ウルトラセブン」に登場するポインターも同系車をベースに製作されたという。
■キット概要
現用軍用機からモンスター、果てはケネディ大統領までプラキット化した伝説のプラモデルメーカー、AURORA社から放送時に発売された。
その後、POLAR LIGHTS社から復刻再販されている(現在は店頭在庫のみ)
アメリカ製のプラモだと「超精密なディスプレイモデル」という事が、幼児から刷り込まれてるのですが(笑)
このキットの場合、例えるなら20数年前に発売された「ビッグワンガム」のプラモ並みです。
タイヤとタイヤを繋ぐシャフトが細いプラパーツの棒だったり、シャーシがエンジンと一体成型という簡易キットです。
ホイルなどは銀メッキを施されてますが、今回、入手した物には施されてませんでした・・・・OTL
■なつかしポイント
古今東西、その数は億を超えると言われる(笑)ブルース・リー関連グッズで唯一のプラキット。
放送当時に発売されたため、もしかしたら、リー師父も手にしたかもしれない。
■製作について
省略されているディテールや形状が間違っているパーツが多く、実車に近づける改造となるとフルスクラッチ状態となります。
ですので、このキットには
・省略されている一部ディテール&搭載武器のハッチを閉じた状態のパーツを作る
・省略されている搭載武器のパーツを作る
・付属してないホーネットとカトーの人形を作り、車に乗せる
リアル志向のミニチュアモデルでなく、なんとなく『TOY』ぽくなるように心掛けてみた。
△省略されているディテール
ルームミラー・・・・実車では結構目立つので、プラ板等で自作
ワイパー・・・・ボディと一体成型のヘロヘロモールドなので、エポパテで自作
ダッシュボード・・・凄まじく省略されてるようですが、適当に謎の緑の箱パーツやら追加(苦笑)
△搭載武器のハッチ
前・後部のロケットランチャーカバーをプラ棒とエポパテで製作。
他の部分は複製して製作。
△搭載武器のパーツ
リアトランク上の「ロケットスキャナー」をプラ板・プラ棒・伸ばしランナーで自作。
フロント部のステルス走行時のヘッドライト(グリーン色のツイン)を通常走行時パーツから複製して製作。
劇中ではステルス走行時のヘッドライトで活躍するのが基本。
△人形
タミヤの1/35MMシリーズのシャーマン戦車から、不要パーツの戦車兵を改造。
「どうせ乗車させたら見えない」ので、細部は適当です。
とはいえカトーは結構、目立つのですが、哀れホーネット氏はここでも目立たないのでした・・・・・
△他の作業
窓ガラスですが、フロント部と真後ろの部分しか使っていません。
後ろ両側面&前と後ろの仕切りガラス(これらは組立図で確認ください)は、劇中&レストア車には無いので完成品には付けてません。
左右側面の前と後ドアの真ん中に支柱らしきものがあります。これも劇中&レストア車にはありません。切り取りました。
ですが、番組宣伝スチールには存在が確認できるものもあります。
屋根が凹んでいるため、窓ガラスパーツが取り付けられず、また隙間も目立ちます。
ライターの火で窓ガラスパーツがしっかりと接着出来るように屋根部をあぶってみましたが、それでも隙間を埋める事が出来ませんでした。
塗装はボディ・シャーシをつや消しブラック・シルバーで塗リ分け。
カトーは全身がつや消しブラックで、マスクが半つや・帽子のつばがつや有りのブラックで塗り分けてます。
ホーネット氏はオリーブドラブやら濃い目のグリーン系で塗り分けてます。
ロケットランチャーのミサイルの先端のレッドのみ、つや有りにしています。
スミ入れはフロント部分と人形だけに行いました。
■最後に
全体的に大雑把なキットなのですが、カトー人形を作って乗せるだけで2ランクくらい豪華になったような気が。
これもブルース・リー師父のお陰なのかも知れない・・・・と思いました^^;
■参考資料
・ブルース・リー超全集 白夜書房刊
(レストアされたブラック・ビューティーの詳細な記事を掲載)
・DVD「ブルース・リーinグリーン・ホーネット デジタルリマスター版」
ハピネットピクチャーズ
(特典映像としてブラック・ビューティーの短編ドキュメンタリーを収録)
・「死亡遊戯」劇場用パンフレット(グリーン・ホーネットTV版&劇場版データを掲載)
■協力
Zeakさん どうも有難う御座いましたm(__)m





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